「80対20の法則」を考察! 世界を支配する比率はレースも支配する!?

 

「78対22の法則」は自然の全てを司るのだ。
「ユダヤの法則」というのがある。それによると、世界を支配する比率は78対22であるという。例えば、人間の身体の水と固体の比率は78対22だし、空気中の窒素の量は78%で酸素を含む他の物質が22%だ。そして地球上の海と陸地の割合も驚くべきことに78対22なのである。なんとまあ不思議なこと。ひょっとしてノーマルな人と変態の割合も78対22かも知れぬ。
78対22の法則に当てはまるのはそれだけじゃない。人間の食事は炭水化物78%とたんぱく質22%がベストであると言う説。さらにはユダヤ人は金融業が得意なもんだから「銀行における預金額と貸付額の比率は78対22が一番効率よい」としている。他にも、コカコーラの瓶の縦横の比率は78対22だとか、マクドナルドのサンキューセットは500円玉でお勘定したら390円(78%)受け取って110円(22%)お釣りを払う。これは藤田田氏(この人はユダヤ商法を信奉していた)が法則をヒントに企画したものだ。
大昔にユダヤ人が経験的に気づいた78対22の法則が、実は地球や人間など自然の構成割合まで支配していたなんて、キリストさんやマリアさんは知っていたのだろうか?

 

「80対20の法則」って、別に20の方が偉いってわけじゃない。
似たような理論で「パレートの法則」というのがある。それは「ユダヤの法則」をザックリと表したもので「80対20の法則」と呼ばれ、主に経済やビジネスの指標として使われる。それによると、例えば、一般的な会社の売上の80%はたくさん買う特定顧客20%によってもたらされる。さらに、売上の80%は売れ筋商品群20%によってもたらされている。またある会社の売上の80%は20%の優秀な営業員によって上げられたものであるという。
そんなわけでビジネス効率を上げる為には「たくさん買う20%顧客を集中的に狙え」とか「20%の売れ筋商品をたくさん仕入れろ」とか「優秀な営業員20%以外はクビにしろ」とかの戦略が導き出されるが、それはあまり正しくない。
なぜなら、売れ筋20%商品だけを在庫しても、結局その全商品の20%の80%が売上になるから、効率は変わりないのだ。さらに優秀な営業員以外80%をクビにしたら、「下がいないため優秀な営業員がやる気をなくす」という事実もある。
ある説によると、働きアリの20%は仕事をせずにサボっているそうな。で、その集団から20%のサボりのアリを排除すると、なんたることか今まで良く働いていたアリがすっかり20%のサボりアリに変貌してしまい。80対20の法則は維持されるのだと。つまり「78対22の法則」と「80対20の法則」は世界の絶対バランスであり、「80がダメで、20が良い」とか、そんなものではないのだ。相互に影響を及ぼしあっている自然の双璧なのだ。

 

100まで追い込む弊害とは?! 80でも良いではないか。
つまりこういうことだ。「スーダラ社員」も「サボりアリ」も「たまにしか買わない客」も
「数ヶ月も店頭に並んだままのタクリーノオイル」も「店主が展示会で舞い上がって仕入れた奇天烈カラーの吊るしフレーム」も20%を支えるための80%として全体に対して機能しているということなのだ。
そんなわけで、100%がエースで固められたプロ自転車チームはチーム内でけん制しあってレースにならないし、もし教師が全員校長先生の学校があったら朝礼台は満員で足の踏み場がなくて北朝鮮の組み体操みたいで変に違いない。20が輝く為に80が必要なのだ。
では、実際の自転車レースを考えてみると、法則に従うならレース中の80%はリラックス可能な部分で、残りの20%がアタックや高速踏みの勝負どころである。さらに100人のレースで実際にレースをコントロールして前で動いているのは20人。そして優勝候補が20人だとも言える。そこで無駄な動きを排除して「集中すべき20%の時はいつか?」「マークすべき20人は誰か?」そう考えることは単純で有用だ。
80対20の法則の素晴らしいことは、もう一つある。それは人間の不完璧性についての寛容さだ。ユダヤの法則に従えば、100kmのロード練習で80kmまで来て急に具合が悪くなったら、後の20kmを中止するか流して走ることで80対20の絶対バランスが成立することになる。完璧性を求めた無理強いをすると、それが翌日からの練習に影響するし、競技生活全体へのストレスに繋がりかねない。ユダヤの法則の基本的理念は「人間は完璧じゃないので100%まで頑張れない。ならば、八割ぐらいをゆる~く頑張る方が結果的に効率がよい」ってことでもある。そんなわけで、ゆる~い気持ちで100km練習に出かけたら苦しくて20kmで終了してもた!? 世界を支配する法則によると、どうやらサボりアリが憑依したためらしい。