覚せい剤を売りさばかなくても自転車をメジャースポーツにできる方法
<脳内物質に見る欧米と日本の違い>

 

何キロ出せばツールで優勝できるの?!
 タクリーノに集まるお客さんは決して自転車好きばかりではなくて、むしろサイクルスポーツ(本誌のことではありません。一般名詞です)には縁もゆかりもない地元の飲兵衛の方のほうが多いくらいである。そんなわけでツール・ド・フランスの話題がカウンターの上を飛び交ったとしても「あれは何キロぐらいスピードを出せば優勝できるのかね」とか「中野浩一は優勝したことあるの?」とか「3週間で3600キロを走るというけど、寝ないと死んじゃうんじゃない?」なんて、返答に困るような質問が僕を絶句させるのである。
 ある時あるお客さんに「サイクリングに行きませんか」と、お誘いの言葉を述べると「サイクリングって何するの?」と聞かれた。すかさず「自転車に乗って風を受けながら景色を楽しんだりするのです」と言うと、「・・・それだけ? そんなことして面白いの?」っとその人が大変不思議そうな顔をされたのが、これまた僕を絶句させた。
 バーをやりはじめて市井にますます密着することにより、いやいやサイクルスポーツ(なんべんもすんません。本誌のことではないです)というのは大阪西成のみならず日本では恐ろしくマイナーなものなんだなあと、世界選手権でゴール後にもみくちゃにされるベッティーニを見ながら実感した今日この頃である。

 

欧米人は天然のシャブが脳内にわいている?!
 しかし一体、なぜに日本では自転車競技から健康サイクリングまで、これほどまでに自転車遊びが一般に認知されていないのだろうか。僕はその理由を東洋人と西洋人(モンゴロイドとコーカソイドと言ってもいいかも)の人種民族的な脳内分泌物質の違いにあると睨んでいるのだけど、どうだろう。
 僕がアメリカやヨーロッパの人と接して思うことは、彼らが何かにつけて積極的で行動的であるということである。いっぽう東洋人、特に日本人はひかえめでオトナシイ。この性質をドラッグに例えると、欧米人はシャブ(覚せい剤のことです)や興奮剤を摂取した状態によく似ているし、日本人の引っ込み思案なところはヘロインなどのダウン系ドラッグを摂取した状態に似ている。ドラッグにはアップ系とダウン系があるのだけど、つまり欧米人は脳の中にシャブのようなアップ系物質を自然にたくさん分泌していると言うことだ。そんなわけで欧米ではヘロインなどのダウン系ドラッグがその昔から一般的(一般の人はやらないでしょうが)であり、日本での一級ドラッグがシャブであることが理解できる。つまり欧米人は天然のシャブが脳内にすでにあるからこそ違った刺激という意味でダウン系のヘロインを欲しがり、日本人はそもそもダウン系の脳ミソの構造をもっているからこそ興奮物質であるシャブ中心のアップ系ドラッグ文化を持っているのだと思う。
 話がちょっとヤバイ方向にそれたけれど、いずれにしてもシャブを摂取すれば、アクティブなことがやりたくなり、自転車などもヤッホーとブチ漕ぎたくなる(らしいです。聞いた話では)。そうした理論から欧米人が活動的で自転車好きであり、その結果として欧米では自転車競技がメジャースポーツであるのじゃないだろうか。

 

サイクルスポーツ発展のために素人を騙せ!
 では理想論として、自転車というスポーツをいかにして日本でメジャースポーツに押し上げればいいのだろうか?

 簡単な方法としては、北朝鮮から大量に覚せい剤を密輸して売りさばくという方法が考えられるが、テポドンの資金源になっては嫌なのでそれはやめとこう。まあそんなことしなくても、自転車自体が乗るだけで脳内麻薬物質を作り出すシステムを持っているところに目をつけ、まじめに現実的な方法として、素人を騙してでも無理やりサイクリングに連れていくというのはどうだろう。そうすれば体を動かすのがほんらい好きじゃない出不精な人も、気がつけばランナーズハイ的な気持ちよさにほだされて、自転車の素晴らしさを知らず知らずのうちに理解できるというものだ。というわけで結論。
 サイクルスポーツ発展のため、素人を騙してサイクリングに連れて行く口実を考えよう! きっと「風を受けながら景色を楽しもう」だけじゃ、インパクトが弱いのかもね。
 いずれにしてもそうした戦法を取れば必ずや日本でも自転車はメジャースポーツになるに違いない。なぜなら日本人の心の中にも欧米人を凌駕する行動的な積極性が眠っているはずだから。だってセックスの絶頂は英語で「カミング」(来る)だけど、日本語じゃ「行っくううう」だからね。

 

 

追記>ネガティブな話になるからあまり言わない方がいいかもしれないけど、やっぱり日本人てひ弱で筋肉量も脳内麻薬も少なくて自転車レースに向いていないんじゃないかなあとか思うことがある。もちろんだからこそ挑戦することは美しい。

そもそも白人がスポーツが強くて、世界文明を席巻しているのは、彼らが殺し合いの奪い合いの歴史の中で淘汰されてきたからだ。ヨーロッパの土壌は貧弱で単位面積当たりで取れる農作物で国土の全員を養って行けなかった過去がある。そんなわけで隣の国に攻め込み略奪することで自らの生命を伸ばしてきたのだ。そんなこんなで、世界はグローバルになってもまだまだ違いは大きいなあと。