未来の自転車はどうなるか。有機的で機能的なその実体(妄想)とは?!

 

11段はもう古い! 無段自動変速が君たちを待っている。
僕がスポーツとしての自転車をはじめた40年前からすると、機材はえらく変貌を遂げたもんだと思う。それは紅顔の美少年が50歳のエロオヤジに変貌するかのごとくである(ちょっと違うか?)。
今から100年後とか、いやいや1000年後にはロードレーサーを筆頭とするスポーツサイクルはどんな風になっているのかなあ。とアブサンを一気飲みして考えてみた。
まず、リアスプロケットが11枚の電動変速装置は未来には一体どうなるのか? このままスプロケットが20枚ぐらいまで増えると、チェンラインのズレを防ぐ為にフロントチェンホイールが自動的に左右にシフトする機構が必要になるだろうけど、もっと現実的で実用的なのは「無段変速システム」というやつだ。
リア5段の時代からすると現在はクロスレシオに近いセッティングになった。それでも「17Tだと重いけど18Tだと軽すぎる」なんて感覚がレース中の選手を襲うことがある。無段変速では17.5Tだとか、17.34712Tなんて機能のレシオがアナログとして選択(それも自動に)できるのだから、状況と出力に合わせた緻密なパフォーマンスが可能なわけだ。この無段自動変速機、30年以上前すでに理論上製造可能な段階にあったらしいけど、現実化すると原チャリぐらい重さになったらしい! 未来ではそれがシャキッと軽量コンパクトにまとまって、アホのようにペダルを回しつづけるだけで路面勾配に適切なレシオを選んでくれる日が来ることを、このエロオヤジが保証する。

 

未来の自転車はポジションが効率よくクネクネ動く。
思うに現代の自転車のポジションと入力体系は人間工学的な身体の特徴を考慮したもんではなくって、単純で幾何学的な線と円の構造体を結び付けただけのものに過ぎない。そんなわけで「楕円ギヤ」なんていうバイオメカニックス的機材も登場しているわけだけど、未来ではそれプラス、「変長クランク」も標準化されるだろう。それも一回転中の高トルクポイントで変化するだけでない。登りや平坦でもその状況に応じてクランクが変長するのだ。そう考えると、登りと平坦路では適切なサドルの高さも違うのだから、それを走行中自動的に変高する機能があってもよさそうだ。さらに、ペダリング一回転の中でも適切なサドル高も変化するはずだから、ペダリングするたびに微妙にウネウネ動く機構も必要なはずだ。ハンドル幅だって、登りでダンシングする時と平坦では変化するべきだろうし、ペダリング一回転中でも適切なステム長を含めたグリップ位置が動く機能も必要だわなあ。
つまるところ、未来の自転車は、ポジションを人間の有機的に変動する高出力な筋収縮ポイントに合わせて、一踏み一動きごとに生命体のようにその形を変化させていくのだ。先の「無段変速」と「自動変動高出力ポジション機能」を組合わせれば、大山田輪太郎さんでも平均時速30キロでモンバントゥーを登れると僕は計算する。

 

車輪は宇宙的だ! 重力があればスポークはいらん。
さて、未来では車輪は大きく変化する。結論から言うと、スポークは無くなる。
例えば、太陽は直径14万kmだけど、その重力的支配は冥王星の遥か外側にあるオールトの雲までの10万天文単位(太陽と地球の距離の10万倍)まで影響を及ぼしている。そんなわけだから、ハブの中心から僅か33cmのリム外周部に回転支持的な重力支配がどうしてできないものか! ハブ内部に、重力の存在起源でもあるヒッグス粒子を高濃度化した特殊物質を仕込み、リム周辺部を回転支配するのだ。そうすればスポーク無しで固定力が存在し、ドライブトレインの回転をトラクションに伝えることができるはずだ。つまり、超軽量で空気抵抗も少なく、おまけに横風にも影響されないという夢のホイールが実現するのだ!
僕も大山田輪太郎さんも墓場に入った後のことだろうけど、やがて自転車の世界は夢のような高速時代を迎える! 考えたらワクワクするなあ。でもその後UCIから「エディー・メルクスと同じタイプの自転車でないとレースに出場できまへん!」なんて決定が降りたりしたら。怒るでホンマ。